「ユマニチュード」とは?認知症への効果や実践方法

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ユマニチュード

ユマニチュードとは

ユマニチュードは、イヴ・ジネスト、ロゼット・マレスコッティという2人のフランス人医学者によってつくり出された、知覚・感情・言語による包括的コミュニケーションにもとづいた認知症ケア、介護の技法のことです。

 
「人とは何か」「ケアをする人とは何か」を問う哲学と、それにもとづいた実践技術から生まれたのがユマニチュードです。「見る・話す・触れる・立つこと」という看護の基本中の基本を徹底する技法です。
 


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しかし、そう言われても実際どうすればいいのか分からないですよね。ですので、具体的に「見る・話す・触れる・立つこと」の技法を説明していきます。

  • 「見る」顔の正面から同じ高さで目を合わせる。
  • 「話す」今、何をしているのか実況するように、頻繁に優しく伝える。
  • 「触れる」腕を上からつかまず、必ず下から支える等、優しく。
  • 「立つこと」立つ事をすすめ、支援する。

 

ようするに人は見つめてもらい、誰かと触れ合い、言葉を交わすことで存在意識を高め、そして死に至るまで、できる限り立つことで人としての尊厳を自覚するという考えを基本に、ケアをする方がそれを助けることで、介護される方も変わるという介護方法です。

 

人間らしい存在であり続けることを支えるために、ケアを行う人々がケアの対象者に「あなたのことを私は大切に思っています」というメッセージを常に伝えながら対応する。その人の人間らしさを尊重するケアがユマニチュードです。

 

ユマニチュードと認知症

認知症患者にとって、ユマニチュードはとても有効です。

 

認知症とは記憶障害、認知障害、社会的機能の低下などが起こる病気です。これは脳の老化が原因とされています。その為、予防に必ず必要なものとして、人とのコミュニケーションが挙げられています。そして、認知症患者のリハビリに必ずあるのが、人とのコミュニケーションです。予防とリハビリが同じと考えると、分かりやすいですね。

 

その事から考えても、認知症にユマニチュードは効果的だと言えます。予防、リハビリの最も優れた技法がユマニチュードと言えます。認知症が悪化すると、介護者は「手に負えない」と介護放棄して施設や病院に任せてしまいがちです。それがさらに悪化させると考えもしないで、、、

 

しかし、現状ではよほど優れた施設でない限り、人としての扱いは酷い状況です。急速に進む人口高齢化のせいで、どこの施設も病院も詰め込み状態だからです。そういう状況の中では、寝たままの姿勢で行われる清拭は珍しくありませんが、それは「寝たきり」にさせる要素になり、助長の原因になるだけです。

 

それを問うと、「入浴を嫌がるから」という言葉が返ってきます。それは本当に患者自身に問題があるのでしょうか?「徘徊は転倒の危険があるから」と、身体拘束、向精神薬の投与はやむを得ないのでしょうか?ユマニチュードではそれらを否定し、改善できるとしています。

 

認知症高齢者が穏やかな人生を取り戻せる技法がユマニチュードなのです。ですので、ご家庭の誰かが「認知症かな?」と思っても、「すぐに施設に!」と慌てずにユマニチュードを試してみてください。

 


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ユマニチュードの効果

フランスで生まれたユマニチュードは、フランスを中心に他の国々に広がっています。今ではドイツ、ベルギー、スイス、カナダなど福祉の先進国に普及活動を行う支部があり、大学看護学部の正式カリキュラムに採用されるほど広がっています。これだけでもユマニチュードの効果がある事がうかがい知れます。

 

しかし、日本ではまだユマニチュードの知名度は低く、導入している病院、施設もごくわずかです。しかし、その効果は注目されつつあります。

 

現在、ユマニチュード普及活動日本支部の設立準備が進められています。実際ユマニチュードを導入した施設でどんな効果があったか実例をあげてみましょう。

  • 攻撃的、徘徊などの問題行動の減少。
  • 身体拘束や薬の量が減少した。
  • 寝たきりになる事の減少。

これらは施設全体からの効果の事例です。

 

実際に携わった介護スタッフや家族からの実例では、
いつも叫ぶご老人がユマニチュードを実践して叫ぶことがなくなり、会話できるほどになった。
塗り薬を嫌がり、食事さえも嫌がっていたのが、自ら塗るようになり、食事も座って自分で食べるようになった。
入浴のたびに大声をあげていた母から「ありがとう」と言われた。
寝たきりの祖父が歩くことができた。
いつも何かにつけて怒っていた父が笑顔で話をするようになった。

 

などなど、効果はそれぞれですが大きな効果がみられています。それは本人だけではなくケアする方も家族にとっても大変嬉しい効果だと言えます。まさにユマニチュードの根本的な考えである「人間らしさ」を取り戻す効果ではないでしょうか?

 


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ユマニチュードの実践方法

ではここで、ユマニチュードの実践方法を説明したいと思います。最初に説明した通り、ユマニチュードの基本となるものは「見る・話す・触れる・立つこと」の4つの基本から成り立っています。

 

「見る」ベットで横になっている人、寝たきりの人に横から後ろから話かけても見えません。座っている人、車椅子の人に立ったまま話しかけても見えません。ユマニチュードではしゃがみ、のぞきこみ、正面から話しかけてください。相手の視線を掴んでください。

 

「話す」ユマニチュードでは、たとえ反応が返ってこない人に対しても、積極的に話しかけ、常にポジティブな言葉を選び加えてください。そして、自分の動作や行動を実況してください。「今から~します~しています」と言った感じで伝えてあげてください。無言でのケアはやめるようにしてください。

 

「触れる」ユマニチュードでは広い面積でゆっくりと、優しく包み込むように触れる事を心がけてください。これはケアを受ける人に優しさを伝える技法です。認知症の人などの人には「掴む」という事はできる限り避けてください。介助、介護の際には親指を手のひらににつけて、使わないように意識してください。

 

「立つこと」必ず、立つことを目標にしてください。長くかかっても、その人に合わせた方法を検討してください。起き上がる、座る、立つ、と段階をふんで諦めず目指してください。

 

ケアの時間を良い時間だと思わせるように、「この人は嫌なことをしない」「自分のためにしてくれているんだ」という感情の固定を与えるようなケアを目指してください。そうすれば必ず良い結果が生まれます。

 

ユマニチュードの参考書籍

最後に、ユマニチュードをもっと深く学ぶにあたり、お勧めの書籍を3冊ほど紹介しておきます。

 

「ユマニチュード入門」


本田美和子、イヴ・ジネスト、ロゼット・マレスコッティ、著。出版、医学書院。
ユマニチュードの創始者であるイヴ・ジネスト、ロゼット・マレスコッティと日本の臨床家たちが協力してつくられた本です。その名前の通り、これを読めばユマニチュードの全てが分かります。
>>ユマニチュード入門 [ 本田美和子 ]

 

「ユマニチュード認知症ケア最前線」


NHK取材班、望月健、著。出版、角川書店。
NHKの「クローズアップ現代」「あさイチ」「NHKスペシャル」という番組でユマニチュードを紹介し、大きな話題になった認知症の新技術をまとめた本です。
>>ユマニチュード 認知症ケア最前線

 

「「ユマニチュード」という革命」


本田美和子、イヴ・ジネスト、ロゼット・マレスコッティ、著。出版、誠文堂新光社。
「ユマニチュード入門」を分かりやすく、優しく丁寧に解説している様な本です。
>>「ユマニチュード」という革命

 

最後に

認知症へのアプローチは「ユマニチュード」だけではありません。薬で対策する方もいれば、病院や介護施設を検討する方もいます。その中でも自宅での介護を目指す方に是非お勧めしたいのが、「プラズマローゲン」というサプリメントです。

 

>>プラズマローゲンとは??

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