認知症によく見られる3失「失認」「失行」「失禁」の原因と症状

この記事は2分で読めます

「失認」の原因と症状

失認」とは、目・耳・鼻などから得られる感覚(簡単にいうと視覚・触覚・嗅覚・触覚・味覚という五感です)が、脳で正しく処理されず、その結果「見ているものが何だかわからない」「音は聞こえているはずだが内容が理解できない」などの症状が起きることをいいます。

 

この症状は、脳の中の処理の問題なので、実際に感覚を受け取る目や耳には問題がないのが特徴です。認知症の方にでやすい症状の特徴としては、

  • 今いる場所がどこだかわからなくなる
  • 目の前にいる人が誰だかわからない
  • 言われたことが理解できない

 

などがあります(記憶力の低下や、言葉の理解の障害も絡んでくるので、一概には失認と言い切れない場合ことも多いです)。

 

「失行」の原因と症状

失行」とは、手や足には何の問題もないのに、思ったように動作ができなくなる症状のことをいいます。この症状は、人間は脳で「これからこのように動こう」という命令を出し、その命令が神経を通って手や足の筋肉に届くことで動作を行いますが、脳の障害によりその命令を正しく出すことができなくなることで起こります。

 

認知症の方に出やすい症状の特徴としては、

  • 服をどのように着ればいいのかわからなくなる
  • 道具を使うことができなくなる

 

など今まで行えていた動作ができなくなるなどがあります。症状が進行してくると、立つ・座るなどごくごく単純な動作もできなくなることがあります。

 

「失禁」の原因と症状

失禁」とは、簡単に言うと排尿や排便がトイレで適切に行えず漏らしてしまうことをいいます。もちろん、通常の老化に伴い、トイレが近くなったり、尿漏れが起きたり、尿意を我慢できないことは起こります。

 

ですが、認知症で失禁が起きる場合は、

  • そもそも尿意便意がわからない
  • トイレの場所がわからない
  • 体が思うように動かない
  • 排泄はトイレに行って行うという概念がわからない

などさらに多様な原因が考えられます。

 

認知症の方に失禁がみられる場合は、主な原因が認知症(脳)の症状なのか、体の動きなのか、尿意の切迫・頻尿など泌尿器科で対応するような問題なのか、分けて考えて対応する必要があります。

 

まとめ

「お母さん、私が誰なのかわからなくなっちゃった」「着替えもできなくなっちゃった」「トイレに間に合わないようになってきた」など、「失認」「失行」「失禁」は、介護者を悩ませる認知症の症状としてよく聞かれます。

 

これらの症状は、認知症により脳の機能が衰えることで起きる症状なので、周りの人からみると「何でこんなこともできないの?」と不思議に思うことも多いでしょう。しかし、一番不思議で不安に感じているのは、実際に「わからない」「できない」と感じている認知症の方ご本人です。

 

そんな時に周りの方が責めたり非難するような対応を取ってしまうと、恐怖や不安から周辺症状(混乱したり落ち込んだりすること)につながりかねません。少し難しいことですが、認知症による不思議な症状がなぜ起きるのか、上記で説明した「失認・失行・失禁」などどのような原因で起こっているかを推測してみましょう。

 

原因が推測できれば「着替えが難しいのは失行のせいだから、着やすい服を着やすい順番でわかりやすく広げて準備しておこう」など対策をとることができます。「困ったな」と感じる認知症の症状について、知識を得ることで見方が変わってきますよ。

 

また、より良い介護を目指すのなら、ユマニチュードの知識は必須ですね。
>>「ユマニチュード」とは?認知症への効果や実践方法など

関連記事